銀河英雄伝説 Die Neue Theseのあらすじ
救国軍事会議によるクーデターが平定され、平和式典が開催される。トリューニヒト最高評議会議長は、巧みな演説で民衆の心をつかみ、場内の盛り上がりは最高潮に達する。軍人代表としてヤンは壇上でトリューニヒトと握手を求められる。不本意な行動を強いられ、不機嫌になるヤンだが、ふと脳裏に浮かんだ考えに戦慄(せんりつ)する。そんな中、イゼルローン要塞(ようさい)より、銀河帝国の宿将メルカッツがヤンを頼り亡命して来たと驚きの報告が届く。
リップシュタット貴族連合との戦いが決着する。ラインハルトは敵の本拠地だったガイエスブルク要塞(ようさい)において、戦勝式典と捕虜の引見を行う。式典会場に入ろうとしたキルヒアイスは、衛視から銃を持ち込まないよう注意を受ける。これまでが特別扱いだったのだ、と自身を納得させるキルヒアイス。会場のラインハルトの前に、ブラウンシュバイクの腹心、アンスバッハが主君の遺体を納めたひつぎと共に現れる。
辺境星域を平定したキルヒアイスは、ラインハルトの元に戻る。久しぶりの再会を喜ぶラインハルトに対し、キルヒアイスは惑星ヴェスターラントにまつわるうわさの真偽を問いただす。貴族連合との最後の戦いを前に、二人の関係にこれまでにない変化が生じようとしていた。一方、ガイエスブルク要塞(ようさい)のブラウンシュバイクは、リップシュタット貴族連合の全戦力を率い、ラインハルトと雌雄を決すべく出撃する。
ルグランジュをドーリア星域で破ったヤン艦隊は救国軍事会議に支配された首都星ハイネセンへと迫る。救国軍事会議議長グリーンヒルは厳しい状況を理解しながらも、ハイネセン軌道上には12個の首都星防衛システム“アルテミスの首飾り”が存在するため、ヤン艦隊はハイネセンの重力圏内へ突入することはできないと考えていた。しかし、ヤンには、“アルテミスの首飾り”を無効化する作戦があった。
レンテンブルク要塞(ようさい)を陥落させたラインハルトは、リップシュタット貴族連合の本拠地、ガイエスブルク要塞に向けて進軍する。度重なる敗戦に貴族連合は、副盟主リッテンハイムが盟主ブラウンシュバイクとの確執の末離脱するなど、結束にほころびが見えつつあった。ラインハルトは別働隊率いるキルヒアイスにリッテンハイム討伐を命じる。貴族連合の主導権を狙うリッテンハイムの猛攻に対し、キルヒアイスは防御に徹していた。