草なぎ剛の3月は「大河」「ドラマ」「授賞式」と出番が盛りだくさん【連載コラム】
「慶喜に僕自身ハマッてきています」
そうやって体調万全で臨んでいる大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)。激動の幕末で、時代の流れとともに変わっていく徳川慶喜を楽しんでいます。将軍というと召使いがいて何不自由なく暮らしているように思われるけど、苦労もしてるし、日本のこと、世の中の人のことを深く深く考えている。最初は黙ってて何を考えているか分からないシーンが多かったけど、だんだん自分の意思を出し始めて、面白くなってきました。周りには慶喜を手玉にとって自分がのし上がろうとする人たちが出てくるわけですよ。それに対して慶喜が策略を立て、駆け引きをしていく感じがすごく楽しいです。時代劇ならではのセリフの難解さはあるので毎回緊張してるけど、あの世界観に放り込まれると、役になりきれちゃうところがあるんです。江戸時代とか将軍とか、今の僕と懸け離れているけれど、やっぱり慶喜も一人の人間。難しいことを言っているけど、身近に感じてもらえるような慶喜にしたいなと思って。
時代劇っぽく腹に力を入れて「それではありませぬ」とかやらないようにはしてます。その方が慶喜はいい気がして。時代劇だけど現代劇のテンションで。そうすることで、他の方の中で僕だけ浮くと思う。それが慶喜っぽいなと。だから見る人は、あれ、大丈夫か?と思うかもしれないけど、僕の中では親しみを感じてもらいたいから、そっちでやってるんだよね。皆さんすごい迫力ですごい芝居だから、それにのまれないで淡々と。もしかしたら共演している方はやりにくいかもしれないけど、それが慶喜なんだと。そんな慶喜にみんなが翻弄されていく。そして、あんなふわふわしてるのに、次のシーンではちゃんと進めること進めてる!となる。慶喜に僕自身ハマッてきていす。